音楽を体感するエヴリン・グレニーの世界
まずは、この動画をご覧くださいまし。
ワシ的には、ギターを弾いているおっさんが元ヘンリー・カウのフレッド・フリスだっちゅーところで、既に悶えてしまうんですけど、とりあえずフレッド・フリスは横に置いといて、このエントリーで注目するはパーカッションの女性でござる。最近ドキュメンタリー映画「 タッチ・ザ・サウンド」がNHKで放映されたとかで、ご存知の人も多いかと思うが、聴覚障害のあるパーカッショニスト、エヴリン・グレニーである。
この動画は、「 タッチ・ザ・サウンド」の一場面で、ドイツの古い製糖工場跡で収録されたエヴリン・グレニーとフレッド・フリスの即興演奏風景。
彼女に聴覚障害があるとはとても思えない素晴らしい演奏である。小さい頃から聴力に障害があって、12歳までには完全に聴こえなくなったそうだ。元々音楽的な才能はあったんだろうが、耳ではなく音を身体で聴くという訓練をしたということで、天才パーカッショニストと呼ばれるようになるまでには、大変な努力があったんだろうなあ。
聴覚障害という言葉を使うけど、聴覚を失ったことは、決して彼女を障害者にしたわけではなく、そのかわりに音を全身で体感するという、耳だけで音を認識している人にしてみたら超人的な技を習得したわけだ。超人的っていうか、誰もが磨けば到達できる感覚なんだろうけど、耳からの情報に普段頼りきっているワシらには、不可能の領域に近いものがあるよなあ。彼女の言っていることがよくわかるだけに、自分が同じように体感できないっちゅーので、嫉妬心すら芽生えるよ(笑)まあ、音が好きだというだけで、なんの努力もしとらんので、嫉妬する権利もなにもありゃしないんだがよ(^^;
タッチ・ザ・サウンド、ウエブサイトより
映画「Touch the Sound」は、まさに原題どおり、心と体で音楽に触れることのできる、独特のリズムを持った体感型ドキュメンタリー。エヴリン・グレニーの音楽世界を通じ、音楽を体感するという快感を映像の中で楽しめる。エヴリン・グレニーは、楽器の音を聴覚だけで感知しているのでなく、体そのもので感じている、彼女にとって、音は触れること。エヴリンとの旅を通して、私たちはこんなにも自分たちの周りに“音”があったのかと気づかされ、認知していなかった鼓動を「見」「聴き」そして「感じる」ことができることに気づく。眠っていた私たちの感覚、第六音感が呼び覚まされていくような映像である。
日常のすべての中にリズムがあると、エブリン・グレニーは話す。動き、流れ、変化・・そのすべてにリズムがある。そのリズムを体のどこかで認知していることを我々は知らない。鋼とコンクリートでできた橋から、原子のまわりの陽子にいたるまで、すべてのものは振動している。
“すべてのものは振動している”とうことは、“すべてのものが音を発している”ということになる。そこに今まで、気づかなかった、音とリズムの世界が展開する。
ワシが18歳、学生のときに書いた英語のエッセイは、音をテーマにしたものであったのだが、何のウンチクを垂れてたのかは忘れたけど、エッセイの出だしが、通学のときの電車の規則的な音が、足や座席や手すりを通して伝わってくるのがとても心地がいいのだ、ということだったのを覚えている。そんな当時から音や音楽について、漠然と感じていることがたっぷり表現されていて、目から耳から鱗の新しい気付きもあり、本当に感動的なドキュメンタリーでしたっす。
2009/02/18(水) 追記:エヴリン・グレニーがTEDで講演していました!
Touch the Sound : タッチ・ザ・サウンド [DVD]
Comments
trackback uri
凄いな、、、
音を身体で聴くってかなりの集中力が必要なんやろな。
耳が聞こえてしまうワシとしては、どういう修行をすればいいだろなあ。瞑想だろうなあ。つか、ワシのようなぐうたらには所詮修行なんて無理(^^;
近年公開された「敬愛なるベートーヴェン」という映画で、聴覚を失いつつある彼が、シンバルのように巨大なジョウロ型の金属をピアノに押しつけて、作曲し続けるシーンが出てきたけど、音楽を愛すればこそどんな方法を使っても聞き取ろうとする、ゆえに、新たな能力が導き出されるんやろうねぇ。
一つのものが絶たれても、それは決して終わりじゃない。そんなことを感じてしまいました。。
ところで、そちらはオバマ大統領就任式は盛り上がりました? 私は衛星中継のCNNライブで見てたんだけど、これほど世界中が期待をもって見つめた就任式もないんじゃないかな。
ポーランドのおばあさん世代の言い伝えに、「ヨハネ・パウロの次の法王はドイツ人、その次は、アフリカン、その後世界は滅びる」というのがあってね(^_^;
アフリカンの法王なんて……と思ってたけど、これでにわかに現実味を帯びてきたわ。
その後、世界が滅びるとは思わないけどね。
でも、本当に大きな時代の移り変わりを感じるなぁ。
世界は確かに「一段上った」と思うんだけど、ワタシ・・(゜_゜)
この映画、Marieさんあたり、かなり気に入ると思うっぺよ。チャンスがあったら見てみてくだせい。ワシもそのベト先生の映画みたい!
そうそう、ひとつのことが絶たれても終わりじゃないだころか、新たな可能性の始まりなんだねー。
オバマ就任式はこちらの深夜だったので、昨日は客人がお帰りになった日でもあり、ドカンと眠くなってしまってリアルタイムでの様子を見逃しました〜。チェンマイ市内では、やっぱりinaugurationパーティもあったそうで。今までは、アメリカとの深い縁を恥ずかしく思っていたりしたものですが、久しぶりに誇らしい気分であります。ワシの子どもたち、アメリカ人だものー。
アフリカ人法王で世界が滅びるかあ。ワシも滅びるとは思わんけど、なんか自然災害とかじゃなくて、人為的な破壊行為を予感させるわねー。でもまあ、誕生と死は繋がってるわけだし、破壊と成長も同じだっつーことで、さらなる成長をするには、一旦リセットが必要なのかもしれないなとは思ったりする。。。
はじめまして、アカシと申します。Yukaさんのブログとても素敵です。スピリチュアルな最近の映画を探していて出会ってとてもラッキーです。これからも楽しく読ませていただきたいと思います。私のブログもヨガについて、無償の愛について、などをテーマにしています。時間のある時に、ぜひお越し下さい。タイ(チェンマイ)いいですね。私はタイ経由で買うチケットが安いという理由で、何度か行きましたが、いつも素通りで・・ しかしパパイヤ・マンゴーが美味しかったこと、覚えています。しかも安い。笑
長々とコメント残してしまいました。ブログ応援しています。 アカシ
このようなムサ苦しいブログにお越しいただき、さらには素敵ですなんという勿体ないお言葉まで頂き、本当にありがとうございます!自分ではマヂメなスピリチュアルでいるつもりなのですが、どうもズレてるようなので、アカシさんのブログのような内容の濃いところで、またぜひ視野を広げさせて頂こうと思います。つーわけでFeed登録しちゃいました。
バンコクはもうチケット安くないですよー。昔は旅人の中継地点でしたよね。今なんてかえって日本のほうが安いんじゃないでしょうか?
Yukaさん。
Yukaさんのブログをお気に入り登録したつもりがしてなくて、見つけるまで随分時間(2ヶ月弱)がかかってしまいました。
コメントへの返信も今読みました。暖かい言葉を有り難うございます。
いえいえ、とてもマヂメなスピリチュアルブログだと思います。
バンコクはもうチケット安くないのですねぇ。。残念です。
また訪問したいとYukaさんのブログを読みながら思っていたので・・・
でもYukaさんのブログに訪問し、バンコクを感じたいと思います。
私もお気に入りに登録しましたっ!!
では、また訪問させていただきます。
では、アカシ
愚ブログへ再度のご訪問ありがとうございます!ここチェンマイはバンコクと比べるともの凄い田舎なので、このブログでバンコクは感じられないかもしれません(^^; というか、タイ自体も感じられないというもっぱらの評判で(笑)あはは
そうおっしゃらずに、またタイに遊びにきてくださいね!